カウンセリングとは?
当クリニックで行なうカウンセリングは、精神分析的精神療法あるいは力動的心理療法といわれるものです。
様々な症状や悩みを薬物療法だけで解消していくことが困難な場合が少なからずあります。それは、症状や悩みが、ご本人の心の基本的な在り方、すなわちご本人の人間関係や生き方のパターンと深く結びついている場合です。その基本的問題、人間関係や生き方のパターンを明らかにして自覚することが解決につながります。
しかし、上記のパターンは自分自身のことでありながら、気づくのが難しいのが常です。何故なら、それは心の深いところで自動的に働いていて、意識に上りにくいからです。この意識しにくい領域にご本人が近づいて行くことを目指して話を聞いて行きます。「精神分析的」といっても、既存の精神分析理論の枠組みに当てはめるわけではありません。むしろどのような枠組みも想定せずに話を聞いて行き、そこから自ずと立ち上がってくるテーマを、ご本人とともに検討して行きます。
具体的には、ご本人に症状や悩んでいること、様々な思いをありのまま話してもらいます。自分から話すのが苦手な方には、こちらから質問していく場合もあります。いずれにしても、そのように進めていくうちに、次第に問題の焦点が絞られていきます。
それは、他人との関係において、自分をどう感じ他人をどう感じているのかのパターン、また、それに基づいて、どのような人間関係を選びどのような生き方を選んでいるのかということです。このパターンが、ご本人を過度に不安にさせたり生きにくくさせたりしています。
これらの事柄がご本人に次第に自覚されて行きますが、自覚したらすぐに手放せるわけではなく、手放しても大丈夫と言う実感が育たなければなりません。この大丈夫と言う感覚が治療関係のなかで育っていくことが大変重要なことだと思います。大丈夫かなと少し手放す→結果として大丈夫な感じが出てくる→もう少し手放そうというような良循環が生じていき、最終的にご本人を不自由にしていたパターンから解放されることが治療のゴールです。
とはいえ、人の心の特徴として、慣れ親しんだものを手放すことに強い不安を感じることがあり(これは全ての人の心にある不安です)、そのために上記の過程を進めていくのにどうしても、ある程度の時間がかかります。この点が、理性的思考の積み重ねでは解決できないところです。
カウンセリングで実現されるのは、ご本人を不自由にしていたパターンから解放され、ご本人の心が自由になるということです。すなわち、自分自身への不信や疑いから解放され、自分自身の思いや感情をそのまま認め肯定できるということです。その結果、自分が主人公である人生、自分が納得できる人生が可能になります。この方向に進む過程も、上記の過程と並行して徐々に実現していくものですが、同時に、症状の緩和、悩んでいる問題の解消、自分自身の生き方や目指す方向への確信が実現していきます。